貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、借方、貸方…
会計の世界は専門用語に溢れていて、取っつきにくいイメージはないですか?
今はクラウド会計等も登場し、銀行口座、クレジットカードとの自動連係等、非常に便利な状況になってきていると思います。
ただ、会計に関する基本を押さえておかないと、せっかく自動連係されてきたものも処理できないかなと。
実は、カンタンな図をイメージするだけで、仕訳の意味やBS、PLすべてが繋がっていることが理解できます。
今日はそんな話を。
※『スンマ』の書
(複式簿記を最初に体系化・理論化した出版物-1494年)
-画像はWikipediaより引用
まずはこの『構造』をアタマに入れよう
通常のBS,PL
BS、PLというと、通常は下記のようなもの。
この表だけで、触れずらさを感じるかもしれません。
でも、結局は仕訳が1本1本積みあがって出来たもの。
その意味合いを把握すれば、決して難しくはありません。
アタマに入れたい構造
イメージしておきたいのは以下の構造です。
BSは『ストック(持っているもの)』を表します。
持ち物を『資産』と『負債』に分け、その差額を『純資産』という形で表現します。
PLは『フロー(1年間の成績)』を表します。
成績を表すために『売上』と『経費』に分け、その差額を『利益』という形で表現します。
そして利益が出た分、BSの純資産が増えることになります。
そして実は
仕訳はこの形で表現
されているのです。
- 図の形
- 増えたらそのまま
- 減ったら逆に
で、仕訳の意味が分かります。
仕訳パターンは『3×3』のみ
どういうことか?
以下で事例を考えましょう。
まず、『お金を100万円借りる』という取引
この取引は1面ではなく、2面で表現できます。
(2面で表現することを『複式簿記』といいます)
- お金が100万円増える(資産が増える)
- 借金が100万円増える(負債が増える)
といった両面があるのです。
この図で考えると、『①資産が増えた↑×②負債が増えた↑』の組み合わせになります。
この『仕訳』と『結果のBS』は、以下のとおりです。
『増えたらそのまま』ですので、
- 資産は『左』(借方)
- 負債は『右』(貸方)
で仕訳が表現されます。
次に、『経費を30万円支払った』という取引
この取引も2面の性質があります。
- 経費が増えた↑
- 預金が減った↓
という形です。
この図で考えると、『①資産が減った↓×④経費が増えた↑』の組み合わせになります。
先ほどのお金を借りる取引の後に、この取引があることを考えてみます。
その場合の『仕訳』と『結果のBS/PL』は以下のとおりです。
『増えたら↑そのまま』⇒経費は『左(借方)』
『減ったら↓逆に』⇒資産は『右(貸方)』
で表現されます。
上記でイメージは湧いたでしょうか?
3×3より実は少ない
- BS(資産・負債)/PL(売上・経費)
- 増える↑減る↓
- PLは発生だけ(増えるだけ)
で捉えると、仕訳のパターンは『3×3』になります。
(厳密には資本取引といって純資産が動くケース等もありますが、発生頻度は非常に少ないので割愛)
ほとんどすべての仕訳はこのパターンで説明できます。
ただ、『②負債が減る↓×③売上が増える↑』ような、通常は想定されない組み合わせもありますので、
3×3=9パターンより、少ない形になります。
まとめ
すべてのパターンを例示してみます。
9つの取引例を見て、ご自身で仕訳の表現をチャレンジしてみて頂ければ。
これができれば借方・貸方の理解は十分です。
答えはこちら
ではまた次回。
編集後記
◇日記
とあるミスが発覚し、迅速に対応を。
事なきを得ましたが、やはり初動が大切だなと実感した1日でした。
◇ブログネタ経緯
どこかで借方・貸方の理解に足しになる記事を書きたいと思っていたのでネタに。
◇1日1新
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