『また誤りが見つかった…』
『もっと早く分かっていれば…』
『今から直すのは、ちょっと…』
会計のデータに誤りがあるのであれば、早めに見つけるに越したことはありません。
ただし、『時間をかければ誤りが見つかる』、といものではありません。
『数値の見方』を知るだけで、ある程度のポイントは押さえられます。
様々な会社を見てきた中で、『これをやれば見つかりやすい』という視点を書いてみます。
※どこを見るべきか、視点を定めよう
項目の動きを見る
1つは、項目を細分化して、その動きを見ていくというもの。
問いたいことは、
- 数値が動いていないけど、大丈夫か?
- 数値が動いていて、不自然でないか?
の2つです。
例えば、『数値が動いていない』とは、下記のようなもの。
(これは弥生会計の補助科目明細をもとに編集)
中央の赤枠内が0円ということは、今年に何も動きがないことを示しています。
では、この動きで良いかどうかです。
①前渡金
前渡金であれば、『前期以前に、お金を支払った』もので『当期にまだサービスを受けていない』ものです。
通常であれば、1年以上動きがないことは想定できず、何かしらの処理が漏れている可能性があります。
②立替金/未収入金
立て替えや、未収入金についても注意が必要です。
そもそもお金が入ってきていないのであれば、回収状況に問題ないか確認すべきでしょう。
また、お金が入ってきているのに、これらの残高が残っているのであれば残っている金額を0円にする必要があります。
③投資有価証券
売却などがなければ、通常は金額は動かないもの。
(上場株式であれば、時価評価するので動きますが)
今回のケースであれば、問題にならないことが予想できます。
まとめ
このように、項目を細分化して、その動きを見ていくことは誤りの発見に繋がります。
(上記は『動きがない』ケースの具体例を挙げていますが、異常に増えている、減っているという点も確認すべきです)
しかも、『確認の手間はそこまでかからず、効果は高い』ので、サッと目を通しておくと良いでしょう。
元資料の数値も確認する
すべての数値が会計データに反映されているとは限りません。
例えば、データ上は
売掛金 100/ 売上高 100
と1つの取引のように見えても、その背景には別途明細データが隠れていることも多いです。
この明細データのチェックが重要です。
システムで自動生成されたものより、マニュアルで作成する資料ほど、間違いが見つかることが多いからです。
(人間が作る以上、どうしてもミスは出ます)
- 数式を組んで算定しているのであれば、その数式のロジックは正しいか?
- 情報に漏れはないか?ダブりはないか?
特に、ひとりで事業をされている方や、小規模でビジネスを展開されている方は、
販売管理システムなどを導入せず、Excelやスプレッドシートで管理されているケースが多いかなと。
(私は、相当程度の規模にならない限り、システムは不要と思っている派です。高いですし。)
その正確性と網羅性の確認方法を確立することが、後々ご自分のためになると思います。
(要するに、最初の『仕組みづくり』が大切ということです)
あるべき数値を算定して比較する
最後に挙げるのは、『推定値』と『実際の数値』を比較するということ。
例えば、下記のようなイメージです。
①預金
- ネットバンクの残高と不一致がないか確認する
- 差があれば、理由を確認する
- 簡易CFを作って、数値の動きを分析する(不明な動きが大きくないか確認)
②人件費
- 人員数×前期単価で推定値を算定する
- 実際の会計データと比較する
- 差があれば、理由を確認する
③売上
- 単価が決まっているのであれば、件数×単価で商品ごとに推定値を出す
- 実際の会計データと比較する
- 差があれば、理由を確認する
など、各項目ごとの性質を見て、理屈で算出できるものはしてみましょう。
これを監査では『分析的実証手続』と言ったりします。
(余談です)
以上、会計データのチェックの視点を書いてみました。
少しでも参考になる点があれば嬉しいです。
では、また次回。
編集後記
◇日記
昨日は、雨などでランはお休み。
ブログ執筆はいつもどおり。
長男は空手の稽古が2回。
のんびり自宅でオフの1日でした。
◇ブログネタ経緯
会計ネタも書きたいと思い。
◇1日1新
ニトリNew布団
◇今日の一冊
税務調査の重点項目