3月決算の会社の数値が固まってきています。
会計に携わる人はゴールデンウィークが最繫忙期になりがち。
もう少し頑張っていきましょう。
今日は、決算書について。
確認する時の『基本動作』を書いてみたいと思います。
※空手も基本動作が重要
『比』べてみる
まずは比べましょう。
数値は比べないと意味を持ちません。
以下の2つの視点を持てばOKです。
前年度と比べる
1つ前の決算書と比較してみましょう。
・大きく動いている項目
・全く動いていない項目
というのは要注意です。
・なぜ大きく動くのか?問題ないか?背景は何か?
・動くはずなのに動いていないのはなぜか?間違った処理がされていないか?
といった視点で眺めます。
全体と比べる
全体と比べての状況も確認します。
人に説明するつもりで、大⇒小の流れで決算数値を把握していきます。
例えば損益計算書であれば、
・売上、利益の傾向(増収増益?増収減益?減収増益?減収減益?)
・それぞれの動きの傾向
・利益率の状況
など、全体をざっと把握します。
いきなり各論に入ると迷子になりますので、ご注意を。
『並』べて見る
並べるのも基本動作の1つです。
複数年を並べる
主要な項目について複数年(3~5年)並べてみましょう。
上場会社のように作る必要は全くありませんが、イメージです↓
※上場会社の有価証券報告書はEDINETで誰でも見れます
月単位で並べる
当期(今年)の数値は月単位で見ていきましょう。
大きく動いている箇所があれば、内容の確認をしていきます。
『分』けて見る
分けるために『複数の切り口』を持っておきましょう。
ポイントは5W1Hのうちの『When/Where/Who』=『いつ/どこ/だれ』です
例えば売上高について分ける時のことを考えてみます。
When?(いつ?)
・どの日/月の売上か?
・どの時間帯の売上か?
といった観点で分けてみましょう。
Where?(どこ?)
・販売地域はどこか?
・どの部署の売上か?
・どの商品/製品か?
といった切り口が考えられます。
Who?(だれ?)
・既存顧客 or 新規顧客?
・法人 or 個人?
・年齢層や性別は?
といった視点で分けることができます。
大切なこと
以上、決算書を見る時の『分析そのもの』が目的にならないよう要注意です。
『目的は何か?』は常に頭に置きましょう。
例えば、
・売上の状況把握を行い今後の改善方法を考えたい
・決算数値の誤りがないかチェックしたい
では見方も分析の仕方も全く異なってきます。
『分析麻痺』という言葉があります。
分析に時間をかけすぎて意思決定ができなくなることです。
これでは本末転倒。気を付けましょう。
いずれ分析方法のセミナーも開催したいと思います。
ではまた次回。
編集後記
◇日記
終日雨でした。
自宅の窓から雨を眺めながらひたすら会計士業を。
座る時間も長くなりがちなので、スタンディングデスクを併用しつつ。